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 変り形飾箱 「空の間合いを詰める」



       



      

■ 着想
 桂の3pほどの厚さの板から削りだすことで、変形の箱を作り上げました。

■ 胎
 木の厚がかなりある桂材で蓋と底も含めて一体で作り、緩やかな形状の箱をとし、細かい歯の帯鋸で二つに割り、内部も削り出して空間を整えた。身の部分の内側から薄板を張り付けて合口づくりで立ち上がりを作った。

■ 技法
 全体には板の目の美しさを意識しながら、摺り漆仕上げにとどめたが、蓋を開けて身の内側を見ると紙を着せて黒の蝋色漆で下塗りし、赤口の朱を重ねて炭で研ぎ出し、根来塗り(黒漆による下塗りに朱漆塗りを施す漆芸技法である。名和歌山県の根来寺に由来するといわれ、使い込んでいくと朱の部分のところどころから下の黒い地が見えることで風合いを評価)のような柔らかい仕上げになっている。

■ サイズ
 25×25×15p

■ コメント
 あまり凝った加飾をせずに形の面白さを前面に出して、優しくやわらかな空間を生み出したと思っている。

■ 販売価格
 120万円